ままならない
ひんやりした早朝の寒さが好き春が来る前のだけど春は嵐とともに去り、うだるような熱風と湿気がまとわりついて来ると空を割る雷がいなないて大粒の雨が肌を打つ草木は揺れ、咲き乱れた花々が千々に散りながら春の終わりを告げるやがて太陽が狂ったように全てを焼き尽くす暴れ馬の夏がやって来ると絶望するまた一年が過ぎてしまうそして思い知る鳥籠の中で骨になるのをただ待つだけの身なのだと自由に空を飛んでみたかったと嘆息するだけだ生とは本当にままならない「if」は成り立たない壁は幾重にも立ちはだかり手持ちのカードのみでやり過ごすしかないのだ木曜日出勤します10:00〜16:00ご用命をお待ちしてますiPhoneから送信
吸い寄せられるように
猫の佇む暖簾をくぐる
橙の灯りの店内は
石畳と木造造りの居酒屋だ
黒生ビールを飲めやしないくせに
無駄に2本も頼む
仕事の終わりに煽るように1人飲む
気ままな猫の姿に目を奪われながら
スイスイ飲んでしまう
15歳の猫様は実に堂々たる御姿で
気ままに店内を行き来する
本来下戸で350のビール缶一本で
酔っ払ってしまうが
悔しさも手伝って、寒さのせいにして
飲んでしまえとばかりに
ガラスコップを持つ手が進む
ひとつは自分へのご褒美に
ふたつは力量不足の後悔に
男女の仲は難しい
情もあり愛しい芽生えもあるのに
思うようにいかない
ままならない感情に振り回されて
悔恨と反省ばかりが残る
それをビールと一緒に煽った
若い頃は簡単に考えていた
そうでは無い事を今噛み締めている
人は歳をとるほどに慎重になるし
勢いに任せる事が出来ない
ましてや愛も知らず10代で一家離散した
寄るべない身など
フラフラに酔った頭で思う
愛とはなんだろう
恋は分かる、分かるのだ
この泣きたいほどの感情を抱えて
恋焦がれ、憧れ求め希求する
いたたまれない思いが膨れていく様を
だが愛の答えはない
まだ生を全うしていない
生涯の愛の本日を私は知らない
放浪する中途の私にはまだ理解出来ない
ただ、死ぬ時に思い浮かぶのは
貴方の顔だろう
今だって馬鹿みたいに思う
貴方が隣に居ればと
馬鹿みたいに酔ってしまった
次回木曜日出勤します
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ご用命をお待ちしてます
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