さようならアルルカン
シェイクスピア作「ハムレット」のTo be, or not to be…初めて知ったのは氷室冴子さんのデビュー作「さようならアルルカン」今でも衝撃的すぎて…何度よんでも打ちのめされる大好きな作品です特に表題作と「妹」が素晴らしすぎたここから派生した「シンデレラ迷宮」ですっかり心を鷲掴みにされましたランキングベスト5に入る優れた名作です当時興味の無かった文豪や名作の全てに鮮やかな色がつき、貪るようにあらゆる作品を読み出して、はては海外作品まで漁るきっかけに…枯れかけた心に心肺蘇生してくれた豊かな滋養でした本日出勤します10:00〜16:00ご用命をお待ちしてますiPhoneから送信
泣き腫らした瞼で、君は僕を見る
おいで
可哀想に
感情に堪え切れず
君はまた泣く
後から後から溢れる涙がポロポロと落ちた
大丈夫
僕は君を傷つけない
僕なら君のことを分かってあげられる
誰も君のことを知ろうともしない
辛かった事も本当は悲しかった事も
僕はちゃんと見ていたよ
痛かったね、寂しかったね
だけど安心して
ここは誰も君を傷つけたりしない
君は潤んだ瞳で
すがるように触れようとして
冷んやりした鏡面を指でなぞった
泣かないで
僕が愛してる
誰も君を愛していなくても寂しくないよ
腕を組むように自分を抱きしめて
君はバカみたいと呟く
温かいぬくもりが欲しいんだね
それなら鏡に映っているその窓から
僕の腕の中に飛び込んでおいで
大丈夫、落ちたりしない
簡単だろう?
2人でどこまでも旅に出よう
君を傷つける人のいない所へ行こう
鏡の中の君がかすかに笑った
本日出勤します
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