反抗期
難しい、駄目なんじゃないかそう言われると挑戦したくなる悪癖が幼少期から未だにあるのです。この悪癖のせいで、何度泣いた事か…あえて取り組む無駄な時間。なるほど駄目ですなぁと納得して、周りを呆れさせるのが常です…昨日なんかも自分に似合う夏服選びで、頭をさんざんに悩ませており…のべつ幕なしに誰彼なく聞いて回った際。「緑は難しい」なんて話を聞き。うんうん、そうなんだよ…緑色は意外に難しく、何度失敗した事かと頷く一方で。小さな反抗期の私がムクムクと膨らみ始めてしまったのです…「なせば成る!なさねばならぬ、何事も!」「神様なんていない」(幼年期の福沢諭吉)「難しい事に挑戦して…成功したらカッコいいかも…わあ。」あぁぁぁあああ!来たよ私の闇のクロミちゃんが!!理性の断末魔を耳にしつつ、どこ吹く風で服屋に突撃、緑のワンピースを購入してしまった…お前、そんな似合わない系の服が4着も家にあっただろうが!!あー…学習機能皆無だわ。どうすんだよ、どうするの…(現在進行形)自分で自分が痛すぎる。頭を抱えて煩悶中。。。まったく「やってみなくちゃ分からない!大科学実験」大好きな私どもは、とかく生きにくい世の中でございます。iPhoneから送信
それはやってくる。
静かに私の横に佇み、やあ。と挨拶する。
絶望は気配もなく現れる。
夏の夕暮れが近くなると、裏盆で灯る
迎え火が、青白い燐光を放つのを思い出す。
玄関先で燃える仄暗い光は、狐火のように
チロチロと一筋の細い煙を吐き出し、
それは映画の「蛍の墓」を連想させ、
幼い頃は迎え火を見る度、泣きたくなった。
生暖かい風が吹き、空が赤く焼けて
鈴虫や蝉が鳴く。
あの子が衝動的に飛び降りたのも6月頃だ
お葬式屋の一人息子だった。
人付き合いが苦手で繊細すぎた男の子は、
好きな女の子に受け入れてもらえない事に
絶望し、他人の視線が怖くなり、
サングラスをかけて付き纏った。
自分を分かってもらいたくて
脅迫する様に自分の不幸を吐露し、
脅すことで自分が傷つかないように、
小さなナイフを持ち歩いていた。
学校でも問題視された初夏の夕暮れ、
男の子は衝動的に家の窓から飛び降り、
自らの真っ赤な心臓まで好きな女の子に
捧げてしまった。
今でもお焼香と読経の混じった
空虚な室内と、青白い蛍光灯を思い出す。
ひたひたと冷えた記憶の味を確かめた後、
絶望は満足そうにため息をつくと、
気づくと部屋から消えていた。
iPhoneから送信